2007年08月05日

「繊細、辛抱、息も止め…」_Vol.005

 料理撮影のスタイリングは、とても細かい作業になります。

 例えばきゅうりの千切りを用意するにしても、家庭で調理する時のように、ただ1本を適当にはカットしません。写真映りを考え、長さや太さを計算し一切れ一切れに時間をかけて切っていきます。スープの上に顔を出す食材に、針金や串で高さをつけておくのも前準備の作業ですし、その前に何軒ものレンタル食器屋さんをまわって、数ある棚の中から今回の撮影に適した“ひとつ”を探すのも大事な仕事。

 そして本番前に、セットに必要な食器やカトラリー、クロス、フィギュアなどをスタイリング。最上のレイアウトが決まるまでには時間がかかるため、料理が乾いてシズル感がなくなったり、色が変わってしまうので、まずはすべてダミーで行います。

 そこからも長いのですが、食器と食器の隙間やカトラリーの向き、フィギュアの位置などの微調整が始まります。テレビドラマの主人公、おしんの“辛抱”のつらさがわかる…というのは大げさです(笑)。

 そして食材の盛りつけは、カメラの位置やアングルを考えながら、汚さないように一つ一つのパーツの向きに注意して息を詰めながら盛りつけます。そう、まるでオリンピック選手が100メートルを走る時のように呼吸はしません。言い換えれば、デーブルの上でやるミリ単位のドミノ倒しのようです。
 
 「フードスタイリストになりたいのですが…」とメールでよく問い合わせをいただきますが、頭で想像しているより、けっこうハードできつい仕事です。食への情熱だけでは勤まらないんです。 2004.10.08 TF

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posted by F1 at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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