2010年04月14日

クライアントの情熱… [Team-F1]_Vol.319

定期通販誌の撮影とフードスタイリングを担当させていただいております。具体的な業務内容としては、クライアントが生産者と商談し掲載することが決まった品々を事前に試食し、撮影プランを立てます。商品やターゲットにあわせたシチュエーションの設定、適した器やクロスの選択、メニュー化が必要ならどんな料理にするのかなどの他、カメラアングルや照明プランなどを含めてイメージ画像にして提出。それをご担当者様のご意見やご要望なども取り入れて修正。そして撮影全体の内容に適ったスタジオを探し押さえます。あとは数日間の準備を終えて、撮影当日にフードスタイリングとフードカメラマンによる撮影となります。スタジオにはクライアントが3人前後、広告代理店の営業が2〜3人、制作会社からディレクターやデザイナー3人の立ち会いがあり、我々も入れると全員で14〜15人とけっこうな人数になります。だからスタジオ選定も撮影内容に沿っていれば良いとか、安ければ、近ければ…というだけではなく、この人数が収容できる広さもくみしないといけないのです。今回は本当の陽光で撮りたい商品が何点かあったので、屋上付きのハウススタジオにしました。新宿から電車や車で10分弱で最寄り駅からも数分の場所。かつ料金もリーズナブルというスタジオです。ただ通常のキッチンスタジオと違い、調理器具や大型冷凍冷蔵庫、椅子・テーブルなどの備品関係がないので、それらのものを運び入れるのが大変でしたが。

その屋上での撮影ですが、用意した葉っぱ類を敷き詰め、その上に商品を置き水をふり撒いて撮るというのが当初のプラン。全体のプロデュースと進行を担当している私は次のカットの設定があるため、ひとり屋内で作業。そろそろ屋上の準備ができたかなと、屋上に上がろうとしたらクライアントが手を真っ黒にして洗面所に。その後からも制作会社の面々が同じく手を泥だらけにして続きます。「???」いったい何があったんだろう。現場に行ってみると男性陣が屋上の溝を手でまさぐってます。「どうしたの?」と聞くと「クライアントのTさんが、葉っぱだけでは物足りない。もっと深い森の中っぽい雰囲気が欲しいと言い出されて、自ら溝の中の苔をすくい始めてはカメラ前に並べるんです。それを見たら我々だって見ているわけにはいかなくて」と答えるではありませんか。ファインダーをのぞくと確かにセッティング始めの時より良くなってます。みなさんが手を汚して集めてくれた苔を十分に敷き詰めて撮影開始です。水をホースで撒く、ジョーロで降り注ぐ、バケツで思いっきりぶっかける、など様々なシーンを撮って無事に終了。

限られた時間内に予定のカットを撮り終えなければならない身としては、あまり凝ったことはプランしにくいのですが、この結果画像を見る限り、反省すること多々でした。何も大幅な準備や経費をかけずとも「もっと良い写真を」、「さらに工夫できないか」の気持ちを常に持ち続けていれば、より良い画像が得られるのです。今回はクライアントの情熱に大いに教えられました。いつのまにか効率を重んじ、クリエイティブ魂を忘れがちになっていた己を素直に反省し、初心に返ることができました。

2010.04.13 TU

“フードスタイリスト・フードコーディネーター派遣”
<Food Styling Team-F1>
URL:http://www.fst-f1.jp/
問合せ:info@fst-f1.jp
スクール問合せ:school@fst-f1.jp
苔と水素水撮影
posted by F1 at 11:05| フードスタイリスト